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男が女になる系のブームに見る男の気持ち

 幼稚園くらいのときにNHKの教育テレビで、男の子と女の子が一緒に丘から落ちて、気がついたら体が入れ替わっていたっていうドラマを見ました。あれを10年以上経った今でも忘れられず、記憶の中で、今もなおテレビに映った画が鮮明に残っています。

 それはどうでもいいんですけど、この前暇つぶしついでにネットを徘徊していたら面白いページを見つけました。

再イオン化: 「かしまし」と男の子たちの生きにくさから一部引用。

 生きにくい男の子の内面には、「女の子になりたい」という気持ちがどこかにあるのだと思います。女の子になれば女の子と親しくおしゃべりすることができる。女の子になればおしゃれなどが気兼ねなくできる。女の子になればなにもしなくてもちやほやしてもらえる…。女の子になって生き生きしているはずむの姿には、そうした願望が投影されているように思えてなりません。そしてそれは、「男である」「男らしく振る舞うことを期待される」「男としてのライフコースを選択することを迫られる」男の子たちが抱えるであろう苦しさを反映しています。また、女の子と上手く接することができないために、女の子には縁がないだろうと絶望している男の子たちの気持ちも反映しているでしょう。普段は女の子にはまったく近づくことはできませんが、女の子になれば合法的に仲良くなることができるのです。なんという絶望!

 もちろん俺もかしましの漫画を持っていて、それはそれは萌えて悶えて興奮して、性別が入れ替わってしまった主人公にちょっと憧れていました。また以前から、女の子っぽい男の登場人物には妙に憧れを抱いていました。たとえばまほらばの白鳥っていう主人公とか、ハヤテのごとくのハヤテとか。先輩とぼくのぼくもちょっといいなぁと思っていました。

 俺がそういった登場人物に対して憧れを抱くのは何故かなんて、ほとんど考えたことはありませんでした。しかし上のサイトを読んで、女の子っぽい男の子に対する憧れ、の裏にある気持ちに気づいてしまったんですよ。それが、女の子になりたいという気持ちだったんです。

 ではなぜ男が女の子になりたいなどと思うのでしょうか。女の子は可愛く振舞える。上のサイトでも書かれていましたが、女の子は何もしなくてもちやほやされる。女の子は騒げる。女の子は愛して守ってもらえる。また、「男はむさい、女の子同士の綺麗な関係がいいんだ!」という意見もあるみたいです。逆に男は、カッコよく寡黙であるべきだと無意識のうちに期待されていて、相当カッコよくない限りちやほやなんてされません。

 男だって、女の子のように可愛く振舞ってちやほやされてキャイキャイ騒いで愛して守られたい、そう思う人は居るはずです。でも世間の目は、「女性は家事をちゃんと出来るべきだ!」といったような女性に対するイメージよりも、ずっと強く「男は男らしく、カッコよく寡黙であるべきだ」と男に期待し、もはや「そうでない男は男ではない」というような感情すらあるのではないかと思います。

 だから必然的に、ほとんどの男は無理に女の子らしい感情を抑圧したり捨てたりして、男らしく生きようとする。でもそれが辛くて嫌だという人もきっと居るでしょう。

 そんな男たちに唯一残された夢が、ひょんな出来事から性別が入れ替わってしまう、というよくある性転換ネタなのです。もちろん現実でそんなことが起きるはず無いでしょう。でも憧れてしまう。そういう男にとって、性転換することは男に対する価値観からの解放なのではないかと思いました。

 もちろんそんな叶うことの無い性転換ネタに憧れ続けるなら、いっそのことオカマにでもなってしまえばいいではないかと思うことでしょう。でも、これは僕の話ですが、そんなこと恥ずかしくて出来ません。それに完璧主義なところもちょっとあるので、今の自分のカッコ悪い顔で女の子の心なんて断じて許せません。いや、別にオカマの人を批判しているというわけではないです。

 僕、つまり人目を気にして完璧主義なところがある男は、オカマにはなれないし憧れても居ません(ただ、自分の感情を素直に表現できることに関しては憧れているかもしれません)。憧れているのは、ただ可愛い女の子になることだけ。それでチヤホヤされて愛でられて萌えられたい。現実の世界では無理、ならば二次元の世界で現実逃避だー、と、かしましや先輩とぼくなどが人気なのではないでしょうか。もちろん百合マンセーっていう人も居ると思いますけどね。

 それにしても、なぜボーイッシュな女の子は許せるのに、ガーリッシュ(ガールイッシュ?)な男は批判的に扱われてしまうのでしょうか。甘いものにエッセンスとして辛いものを足すのはいいけど(いいのかどうかは知らない・・・)、辛いものに甘いものを足すなんて言語道断っていう風潮でもあるのでしょうか。

 友達が「やっぱ可愛いって正義だよな」と言ってきて、そのときは「え?あー、んー、ははっ」と適当に流してしまったのですが、その意味が分かったような気がします。当の本人は違う意味で言ったのかもしれませんが。

 女の子になりたいのに、その感情を表現できずに苦しんでいる男はどうすればいいのでしょうか。自分の脳内にもう一人の自分、女の子の自分を作って満足してろってことなんですかね。そういう日が来たら苦しむ人も少なくなるかなと思いましたが、この世に「男は男らしく」という常識以上の意識がある限り、僕にはとても、女の子っぽい男が一般受けする日が来るとは思えません。この気持ちはどう処理すればいいのだろう・・・・・・。

かしまし ~ガール・ミーツ・ガール~ 1巻 かしまし
~ガール・ミーツ・ガール~
まほらば 1巻
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カテゴリ / 2007/01/30 17:25 / Permlink / WEB拍手

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